大家さんの勝ち組は1割程度?賃貸住宅経営の厳しい現実


アパート画像

大東建託設計施工管理のアパート。ほぼ満室を維持している。

あるテレビ番組で、もしも宝くじで〇億円当たったならどうしますかという質問に、ある男性は、そのお金でマンションを建てて家賃収入で生活していきたいと答えました。

それを見て思ったことは、この方は、おそらく今の時代、アパートマンションオーナーとしてやっていくのが大変だということを、わかっておられないんだろうなあと考えてしまいました。

筆者も1人の物件オーナーですが、物件オーナーとしてやっていくのは、楽ではないとうことを実感しています。

そう思っているさなか過去の記事ですが日本経済新聞2013年4月27日の「不動産投資は楽じゃない 「勝ち組大家」の汗と涙 」という記事が目に留まりました。

記事によると

「自ら行動しない限り空室は埋まらない」。東急田園都市線の青葉台駅(横浜市)から徒歩40分の住宅地にアパートを所有する・・さん(52)はそうつぶやく。元はホテルマン。父親の物件を継いだ3年前、大家になった。アパート3棟のうち2棟は築20年以上。もう1棟は2011年に建てた木造。「駅から徒歩10分以内」などの条件で絞り込まれれば「目にとまる可能性は限りなく低い」(林さん)。それでも全60戸が埋まるのは努力と着想の成果だ。

引用:不動産投資は楽じゃない 「勝ち組大家」の汗と涙

と書かれています。

この記事にある大家さん、筆者とも共通している部分もあるので、幾らか共感するてんが、ありますが、それにしてもスゴイと思ったのは、駅から徒歩40分という決して立地的には恵まれていないエリアで所有物件60戸を埋めているというてんです。

しかも物件の半数以上が築20年以上という築古物件で苦戦してもおかしくないような物件ですが、それでも埋めているのです。

しかしそのためには涙ぐましい努力をされていて上記の日本経済新聞の記事の続きには

物件資料を持ち込んだ仲介業者は150社以上。資料はカラー写真を使いラミネート加工までしている。地元のカフェや居酒屋にパンフレットを置き、動画投稿サイト「ユーチューブ」でも物件を紹介。ペット可にして賃料下落を防ぎ、掃除も管理会社に任せず小まめにする。

と書かれています。

まさに半端でない努力をされて、立地面や築年数での不利をカバーしておられるのです。

ところである専門家によると、大家の勝ち組は1割程度と言われている方もおられますが、それだけ甘くない世界であることには違いがありません。

しかし努力次第では、勝ち組になることができる世界でもあるようです。

追記:現実的に勝ち組、負け組といっても、明確な基準というものはありません。

ただ言えるのは、家賃収入の対して、どれくらいの支出があるかで、健全なアパート経営なのかどうかをある程度、判断することができます。

支出の代表例としては

銀行への返済 家賃収入の半分の5割まで

固定資産税 家賃収入の1割まで

損害保険料 管理手数料 家賃収入の1割まで

修繕費用、改修費用等の積立 家賃収入の2割まで

といったところをクリアできるかどうかも目安になるのではないかと思います。

とにかく家賃収入については近隣の家賃相場の影響をまともに受けますので、自助努力には限界があります。

いかに支出を抑えていくかということですが、銀行への返済額が支出の大きな割合を占めているならば、銀行との金利交渉で金利を下げてもらうとか、あるいは借り換え等を行うことによって、大きく返済ウェイトを下げることが可能です。

さらにサブリースでないアパート経営ならば、空室を減らすことも重要です。

空室率を下げる鍵は募集家賃が、入居希望者にとって割安に感じてもらえるかどうかにかかっています。

エリアが同じでもアパートの入居率で二極化しているなぜ?