最近は一括借り上げによるアパート経営が主流をなしつつあります。
たしかにこの方法ですと、アパートオーナーは一括借り上げ会社からアパートの状況にについての報告を受けるだけで、一括借り上げ会社の担当者とアパートオーナーが協議したりすることも、しばしば生じるということはありません。
しかも入居者に求められる家賃も、ほとんどの場合、一括借り上げ会社が決めてしまっています。
しかし時々思うのですが、アパートオーナーへの了解もなく一括借り上げ会社で家賃を決めてしまうことには、多少ですが疑問を感じています。
というのも不動産取引の基本は、売主などの取引相手からのヒアリングから始まるからです。
もちろん賃貸住宅経営と別次元だとも思うかもしれませが、しかし一括借り上げの場合は、多くの場合、一括借り上げ会社の独断で事が進められてしまうことが多く、アパートオーナーとの協議というのか、意思の疎通を図ることが弱いように思われます。
このヒアリングですが、不動産調査でも最優先事項の1つされています。
そして一括借り上げ会社は、募集家賃を決めるさいに、他の不動産会社からヒアリング等を行い募集家賃を決めることもあるようですが、もちろんそのことも重要ですが、しかしアパートオーナーからのヒアリング等は、ほとんど行うことがないのは残念なことです。
結果としてアパートオーナーからの不信感をもたれるようになり、レオパレス21でも生じたようなアパートオーナーの告発によってアパート施工不良や裁判沙汰になるような事態が生じるんだと思います。
一部のレオパレス21のオーナーさんのレオパレス21への怒りは相当なものであるように思います。
ところでアパートオーナーとのヒアリングでどのようなことがわかるのでしょうか。
もしアパートオーナーがそのアパートに住んでいたり、近隣にいるのならば、そのエリアの事情に精通していることでしょう。
またそのエリアの過去や、将来的にはどのような開発等が行われるかを、オーナーさんが知っていることもあります。
また退去と入居のサイクルが速いのか遅いのかや、だいたいの家賃相場などを不動産屋よりも知っている場合もあるかもしれません。
あるいは反社会的な人がどこに住んでいるかといったこともオーナーさんが知っていることもあるでしょう。
ですからオーナーさんからのヒアリングも不動産調査においては重要な事項になるといえるのです。