以前のことですが消費者機構日本という団体が、賃貸住宅最大手の大東建託をマークしていました。
その理由は大東建託パートナーズ管理の住宅の入居者からの苦情ではなく、家主や家主になるつもりだったのが、銀行からの融資を受けられなくてなれなかった人たちからの苦情のようです。
そして消費者機構日本への苦情の内容は契約時に支払った申込金30万円が、アパートが銀行からの融資を受けられなかった等の理由で建たなかったものの、返金されないというものです。
ところで、この消費者機構日本という団体ですが、04年に設立されたもので、全国に19ある内閣総理大臣が認定した適格消費者団体のひとつです。
07年6月に施行された改正消費者契約法の団体訴訟制度により、消費者の利益を擁護するため、「不当な勧誘」「不当な契約条項」「不当な表示」などの差止請求権を認められているもので、官からの権限も与えられている機関です。
しかも消費者団体日本は内閣総理大臣が認定した特定適格消費者団体にも認定されており、特定適格消費者団体の場合は金銭面の被害回復を求めて集団訴訟を起こすことができる機関でもあります。
それでは申込金の返金がされないということで、大東建託への集団訴訟が起こされているかというと、現在のところはそうではありません。
もちろん将来、集団訴訟のようなものが起こされるとなると、大東建託の株価は急落し、企業のブランドイメージもダウンすることでしょう。
しかしなぜ今のところ大きく動くことをしないのでしょうか。
それは基本的には消費者機構日本は消費者のためのものであり、アパート家主は消費者でなく事業者にあたるからなんだそうです。
しかし将来的には、消費機構日本も現在は情報収集を行い、事業者の消費者性を考慮しながらこの問題で動く可能性があることを示唆しています。
しかしそれにしても、この申込金の問題、実のとことろ個人があくまでも消費者としてハウスメーカーから戸建て住宅を建てる時も生じることがあり、種々の事情で建てるに及ばなかった場合も返金されることがないことで知られています。
大手のハウスメーカーでです。
もしも大東建託の件で事を起こすならば、他の事例でも同じように動くべきではないかとも思われます。
追記:その後、大東建託側も消費者機構日本の求めに応じ、過去の分の契約時に支払ったお金の返金に応じるとの方針を示しました。このことによって、消費者機構日本が訴訟を起こす事態は回避されそうです。もちろん返金すべきか、そうでないかどちらが正しいのかはわかりませんが、大東建託としても不必要なトラブルが起きるのを回避するために柔軟に対処することにしたようです。
消費者機構日本のウェブサイトにはこの件について
大東建託株式会社(建築請負事業者)と協議の結果、注文書に記載の申込金の不返還条項と工事請負契約約款の契約時金の不返還条項が改善されました。又これまでの当該不返還条項により返還を受けられなかった方への返還を要請しましたが、返還はできないとの回答がありました。
引用:www.coj.gr.jp/zesei/topic_181022_01.html (アクセス日2020/1/14)
と書かれています。
その後、大東建託側も過去の分についても、地質調査費等を除いた金額の返還には応じることになったようです。
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