ソフトバンクの2019年7~9月期の連結決算(国際会計基準)は最終損益が7001億円の赤字となり、驚くほどの悪い内容でした。
中小の会社で、これぐらいの赤字になれば、倒産してしまいそうですが、会社規模が巨大なので、潰れません。
しかし非常事態であることには違いがないでしょう。
ところで今回の赤字の要因は投資先の企業価値の低下が要因ということですが、この投資先というのが、シェアオフィス「ウィーワーク」を運営する米ウィーカンパニーです。
つまりはアメリカの不動産関連の企業ということですが、その企業への投資が裏目にでたということのようです。
どうもソフトバンクはアメリカへの投資が、うまくいかないようで・・。
それにしても、ただでさえ巨額の負債もかかえるソフトバンクですが、大丈夫なのでしょうか。
ところでソフトバンクグループですが、不動産への投資を活発化させているようです。
上記のアメリカの米ウィーカンパニーもシェアオフィス「ウィーワーク」を運営する会社ですが、日本の不動産関連の会社にも投資しています。
例えば最近では、レオパレス21の創業者が創業を始めたMDIという会社ですが、レオパレス21のアパート施工不良問題のあおりを受けていました。
ところが最近になってソフトバンクグループに加入することになったのです。
MDIのホームページには目立つ場所に「ソフトバンクグループおよび OYO Hotels & Homes との資本提携について」の見出しがデカデカとありそこには
当社は、令和元年 9 月吉日、ソフトバンクグループ株式会社および Oravel Stays Private Limited(以下「OYO Hotels & Homes」)が出資する合弁会社を通じて、両者と資本提携をいたしました。
今後はソフトバンクグループの一員として、グループ企業が有するマーケティングナレッジ、既存の顧客基盤及びビッグデータを活用した効率的な新規顧客開拓の推進等の様々なリソースを当社の成長戦略に取り入れるほか、OYO Hotels & Homes が日本国内で進める事業との連携を通じ、弊社の事業規模の更なる拡大及び新たな事業領域の拡大ができるものと考えております。
引用:https://www.mdi.co.jp/shared/pdf/report_19091201.pdf?0001(アクセス日2019/11/9)
と書かれているとおりです。
さらに経営状況が厳しいレオパレス21にも、同じようにソフトバンクが間接的にかかわってきているのかもしれません。
しかしいずれにしてもソフトバンクが不動産への投資に関心があり、推し進めているのは事実のようです。
追記:日本経済新聞2020/4/14の「ソフトバンクG、2号ファンド凍結 成長戦略は暗礁に」という記事によると、ソフトバンクの投資戦略に黄色信号が点灯しているようです。
ソフトバンクグループの投資事業の業績悪化が加速している。約10兆円を運用する「ビジョン・ファンド」の1号は積み上げた利益が吹き飛んだ。立ち上げ準備を進めていた2号ファンドは外部の資金は集まらず、当面の代替策だった自己資金での投資も凍結する。ファンド事業を軸に成長を目指す戦略が暗礁に乗り上げている。
ソフトバンクG、2号ファンド凍結 成長戦略は暗礁に :日本経済新聞 (nikkei.com)
と書かれており、コロナ以前から多少の狂いが生じていたのが、コロナによって一層悪化したとのことです。
そしてさらに世界的な株価の低迷は、ソフトバンクにとっては逆風になります。
ハゲタカファンドがレオパレス21を狙っていた 現実にそうなる
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