アパートマンションなどの集合住宅では、通常半年に1度、消防用設備点検を受けることになっています。
筆者の所有物件は大東建託の物件ですが、半年に1度、地元の防災業者が消防用設備点検のために訪れてきます。
消防用設備点検は戸建住宅では行われない
この消防用設備点検ですが行われるのはあくまでも集合住宅のみで、戸建住宅で行われることはありません。
なぜそのような違いが生じるのでしょうか。
それはアパートなどの集合住宅は建築基準法では「特殊建築物」になるからです。
つまり学校、劇場、旅館、病院、デパートなども「特殊建築物」に分類されており、それらの建築物と同類とみなさるのです。
それで集合住宅は戸建て住宅とは異なり、不特定多数の人が大勢住む建物なので、安全上の厳しい制限が課せられるわけです。
よって特殊建築物であるならば消防用設備を設置しなければなりませんし、その分、建物所有者は費用を負担する必要が生じてきます。
そして消防用設備は基本的には消耗品であり、器具によってはアパートオーナーの費用負担で補修や交換工事を行うことが求められることがあります。
筆者も建物が8年目の時に、廊下の消防のための誘導灯の補修工事が必要となり、工事費用を負担したことがあります。(4個ほど工事を行い19000円ほどの工事費用でした)
ところで集合住宅と戸建て住宅のさらなる違いがあります。
それは集合住宅の造りは、遮音性が高い構造になっているというてんがあります。
もし遮音性が弱いアパートマンションであるならば、粗悪品となり入居者離れを招くことでしょう。
よって戸建て住宅と比べて遮音性の優れた壁材料が用いられています。
さらに安全上の理由から、不燃材を用いること、安全通路を確保するなど集合住宅には様々な制限も設けられています。
ですから戸建て住宅と集合住宅は全く別物なのです。
追記:この消防用設備ですが、共有部分には誘導灯の他にも消火器を置く必要があります。(誘導灯はかなりの高額になることがあります)
この消火器は、数千円程度で購入することができますが、集合住宅の場合は、設置する義務があります。
法律的には20平方メートルに1本づつ設置する必要があるようです。
さらには各部屋には火災報知器を数個設置しなければなりません。
これらすべて物件のオーナー負担で、設置することが求められ、そして周期的に行われる法定点検を受けて、不備や老朽化等で機能しない場合は、オーナー負担で修繕交換等を行わなければならないのです。
ところで大規模なアパート施工不良が発覚したレオパレス21ですが、法定点検で調べることができる誘導灯や消火器、火災報知器等の設置は行われていたようですが、遮音性の優れた壁材や、不燃材を用いるというてんで、不備というか不良があったようです。
この壁材については、消防の周期的な点検で調べることができず、盲点といえば盲点です。
しかし、やたら遮音性が悪いと感じるならば、壁材が不適当なものが使用されていることを疑ってみることもできるでしょう。
とにかく不正の多い建設業界なので、レオパレス21以外でもそのような事が行われているかもしれません。
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