どこの業界でも是正しなければならない悪習、ないしはあやしい商習慣というものがあります。
とりわけ不動産・建設業界にはそのような悪習というてんで、他の業界よりも多くあるのではないかと囁かれています。
この建設業界の悪習でクローズアップされてきたのは、大規模修繕工事にまつわる事柄です。
例えば分譲マンションの大規模修繕工事の場合は、管理組合は設計コンサルタントと契約して大規模修繕工事を行うのですが、設計コンサルタントは修繕工事会社の入札や選定を行なうのですが、実は談合のような事柄が行われているんだそうです。
つまりは応札する業者は事前に設計コンサルタントから本来の修繕工事の見積もりよりも高い応札額をだすように促されるんだそうです。
具体的には修繕工事会社の見積もりは1億円なのに、一方で設計コンサルタントは1.5億円で応札するようにと求めてくるんだそうです。
ということは5000万円程度余分に工事費がかかるということになるわけですが、その金額を負担するのは結局のところ分譲マンションの区分所有者たちで、区分所有者たちが食い物にされているという構図です。
しかも設計コンサルタントは修繕工事業者にバックマージンを要求することがあり、設計コンサルタントは管理組合からはコンサルタント料を、そしてさらに修繕工事業者からバックマージンといた具合に二重取りを行っているんだそうです。
残念なことにこのようないかがわしい商習慣は横行しているようで、国交省もその事実があることを認識し是正しようとしているようですが、しかしなかなか事が正されていないんだそうです。
もちろんこうした事柄は背任罪にあたる可能性があり、そのことで訴えることもできるようですが、証拠を積み上げて立件するのも容易ではないとも言われています。
では物件オーナーたちは、どうすれば我が身を守ることができのでしょうか。
答えは明瞭で
修繕業者選定を設計コンサルタントや管理会社任せにしない
ことによって不正の餌食にならなくてすむんだそうです。
このてんで分譲マンションの管理組合の場合は一致団結してそうすることができますが、賃貸住宅オーナーとなると管理会社との関係を危うくする危惧から遠慮がちになってしまうかもしれません。
しかし明らかに高い!!と思うならば、賃貸住宅オーナー自ら修繕工事業者を選ぶだけの器量をもちたいものです。