レオパレス21の騒動 国の責任は?そして救済は?いつ完全に収束


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レオパレス騒動はいつか収まるのだろうか。

2018年に不動産業界に激震をもたらしたのは、スルガ銀行の不正な不動産融資でした。

おかげでその後、金融庁の地方銀行の不動産融資への監視が強化されたと言われています。

ところで2019年になると、さらに大きな激震が生じました。

それが賃貸住宅大手のレオパレス21の欠陥アパート問題です。

ところで今回の事件で、大きな被害を受けているのは、急遽、引越し要請を受けた入居者と、レオパレス21の物件オーナーです。

このてんで入居者の場合は、レオパレス21以外の物件に引越せば、これ以上煩わされることはなくなるかもしれませんが、アパートオーナーの場合は、そう簡単にレオパレス21との関係を解消するわけにはいきません。

そして今回のトラブルの後、レオパレス21の被害に遭ったアパートオーナーたちが、国土交通省に出向き、国としての対策を取ってほしいとの要請をしたようです。

その1つは検査体制を強化してほしいというものです。

考えてみると、建物が完成した後に、自治体による完了検査が行われます。

この完了検査で見抜けなかったのかという疑問が生じてくるのですが、現実的には完了検査では見抜くのが容易ではないんだそうです。

レオパレス21の画像

レオパレス21の木造アパート。

というのも完了検査は、基本的には目視で行われるので、目に見えない部分については書類で確認することしかできず、完了検査に立ち会う工事責任者が嘘をついているならば、分からないんだそうです。

もちろんアパートオーナーの被害者たちは、こうした現実からさらなる検査や監視の強化を求めたものと思われます。

ところでアパートオーナーからのもう1つの国土交通省への要請はレオパレス21の救済のようです。

レオパレス21も今後の改修費用、さらには空室が大量に発生することから、その損失を穴埋めするために、多額の費用がかかってきます。

アパートオーナーとしては、経営の危機からレオパレス21からオーナーに支払われる賃料が減額ないしは停止されることを怖れているものと思われます。

実際に2018年にはシェアハウスかぼちゃの馬車を運営するスマートディズが破たんして、物件オーナーへの賃料が支払われないといった事態が生じています。

国土交通省もレオパレス21の経営破たんは、あまりにも社会的なリスクが大きいと判断するならば、何らかの手を打つことでしょう。(現時点では外資系ファンドによる再建が行われています)

追記:国土交通省の対応については以下のとおりです。

2.国土交通省における対応
(1) (株)レオパレス21への対応
(株)レオパレス21に対して、本日、以下の対応を行うように指示しました。
[1]所有者等関係者への丁寧な説明
・所有者等関係者に対して、事案について丁寧に説明するとともに、改修等の具体的な方針を示すこと。
[2]特定行政庁への報告
・特定行政庁に対して、事案について可及的速やかに報告し、是正について協議を行うこと。
[3]改修等の迅速な実施
・耐火構造仕様に適合しない界壁について、所有者等関係者と調整の上、可及的速やかに改修等の対応を行うこと。
・また、同社が、平成30年4月27日及び5月29日並びに平成31年2月7日に公表した共同住宅の界壁等の不備についても、引き続き、調査を進め、所有者等関係者と調整の上、可及的速やかに改修等の対応を行うこと。
[4]原因究明及び再発防止策の報告等
・今回の事案の原因究明を行い、再発を防止するための改善策をとりまとめ、国土交通省に報告し、当該報告に基づき必要な改善策を講じること。
・他に法定仕様への不適合がないか徹底した調査を行うこと。
[5]相談窓口の設置
・相談窓口を設置し、所有者等関係者の意向を十分に把握し、誠意をもって対応すること。

(株)レオパレス21が施工した共同住宅における建築基準法に基づき認められている仕様への不適合について

とくに改修等を速やかに行うようとの指示がだされていますが、様々な事情で、十分には進んでいないようです。