住宅ローン減税などで後押ししてか、この数十年のうちに、多くの方が分譲マンションを購入し、マンション暮らしをするようになりました。
筆者の知り合いの多くも、昔は賃貸アパートやマンション、賃貸戸建住宅に住んでいたのが、マンションを購入し、マンション暮らしを行っています。
たしかにマンションには充実した設備や、立地条件の良さなどがあり、快適な暮らしを実現することができます。
しかし最近になってマンション暮らしの陰の部分、つまりは問題点も明らかになってきました。
その1つが区分所有法です。
もちろん区分所有法は、その施行によるメリットも多々ありますが、しかし区分所有法によるデメリットともいえる事柄があります。
このてんについてアットホームのサイトの「特別決議」のページには
分譲マンションのような区分所有建物において、管理組合の集会で議案を議決する際に、特に重要な議案について特別多数の賛成により可決することを「特別決議」という。
この特別決議を必要とする議案は、区分所有法により次の8種類が規定されている。
1.管理規約の設定・変更・廃止(同法第31条)
2.管理組合法人の成立(同法第47条)
3.共用部分等の変更(同法第17条・第21条)
4.大規模滅失における建物の復旧(同法第61条第5項)
5.建物の建替え(同法第62条)
6.専有部分の使用禁止の請求(同法第58条)
7.区分所有権の競売の請求(同法第59条)
8.占有者に対する引渡し請求(同法第60条)上記の8種類のうち、「建物の建替え」を除く7種類については、特別決議を行なうための議決要件は、「区分所有者数の4分の3以上」かつ「議決権の4分の3以上」の賛成である。
ただし「共用部分等の変更」についてはこの議決要件を管理規約により「区分所有者数の過半数」かつ「議決権の4分の3以上」の賛成にまで緩和することができる。また「建物の建替え」についての決議要件は「区分所有者数の5分の4以上」かつ「議決権の5分の4以上」の賛成である。
特別決議とは|不動産用語を調べる【アットホーム】 (athome.co.jp)
つまりは、マンションにかかわる重要な事柄についての議決決定は区分所有者の賛成多数が必要だというのです。
例えば築年数が35年超を超えると建替えが視野に入ってきますが、しかし「建物の建替え」についての決議要件は「区分所有者数の5分の4以上」かつ「議決権の5分の4以上」の賛成が必要となるという大きな壁があるのです。
となるとなかなか決議ができない。
その一方でマンションの老朽化が進行する。
住人の高齢化も進み、やがては管理も修繕も十分に行われない荒廃マンションへと化していくことがあるようなのです。
そして現実的に、ほとんどのマンションでは建替えが行えない状況にあるようなのです。
ということは荒廃マンションへと進行・・?
さらに管理組合のあり方にも問題があります。
というのも特定の人物が管理組合を支配し、修繕業者との癒着や修繕積立金などを勝手に私用しているなどの事件も発生しています。
この場合、疑わしい管理組合の理事長を追求してなかなか交代させるなどができないようなのです。
これは、ほころびが見え始めたマンション暮らしの現実のほんの一面です。
そう考えると、やはり長い目で見ると賃貸暮らしのほうが人生を満喫できると考えてしまいます。