賃貸住宅経営 規模を拡大させることのスケールメリット


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小さな不動産投資から始めて、規模をどんどん拡大させる方も少なくない。

不動産賃貸などの本を読んでいると、最初は数千万円程度の木造アパートから始めて、やがて銀行への返済実績を積み上げていった後に、さらに借り入れ金額を増やして、他の物件を購入する、そのような事柄を繰り返し行って、不動産投資規模を大きく拡大させていく、そのような手法で成功している物件オーナーさんについて書かれていることがあります。

まあこれが不動産投資の、醍醐味というのか、おもしろい事柄の1つなのかもしれませんが。

それにしても、ともかく不動産投資の規模を拡大させることが、勝ち組大家になるための必要条件になるのでしょうか。

たしかにスケールメリットという言葉があり、スケールを大きくすることによってメリットがあるということですが、ある面、不動産投資でもそれは真実だと思います。

しかし規模を拡大させた大家で、経営につまずいた方もおられますし、規模を拡大させれば、銀行からの借入金額も大きくなっていきます。

つまりは毎月の返済額も大きくなっていきます。

ですから不動産投資の規模の拡大=成功という図式が自動的に成り立つわけでもありません。

現に、規模を拡大させた大手の会社でも倒産したり経営難に陥ることがしばしば生じる世の中です。

ですから不動産投資の規模を拡大させたからといって安心できるわけではありません。

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都心部にある規模の大きなRC造りの賃貸マンション。

では規模を拡大させることのメリットとはどこにあるのでしょうか。

それはおそらくは事業経営をしていくううえでの

選択肢が増える

というメリットがあるのかもしれません。

例えば、あちこちのエリアに10棟のアパートを所有しているならば、それぞれのアパートで経営状態は異なってくると思います。

あるアパートは満室で家賃も高く設定できていても、あるアパートは空室が多く、リノベーションをしてテコ入れするか、売却をも検討の視野に入ってくるかもしれません。

あるいは10棟中7棟の家賃収入が好調なので、経費計上額を増やすためにも、費用のかかる修繕が必要な物件の修繕を前倒しで行うという決断を下すことができるかもしれません。

あるいは余剰額と銀行の借入金の増額で新しい収益物件を購入することにするかもしれません。

このように規模が大きくなっていくと、ありとあらゆる選択肢が生じ、経営判断や決断を下して、より良い事業を行っていくことができるようになります。

もちろん経営判断を誤るならば損失を被ることになりますが、しかしオーナーとして健全な決断を下し続けて、より良い結果を得るときに、不動産投資の醍醐味を味わうことができるでしょう。

追記:不動産投資をこまめに拡大してきた投資家も少なくないようですが、手法としては入居者需要のあるワンルームマンションなどで行います。(都心部が望ましい)

そして軌道にのれば、さらに銀行から借り入れを行って、別のワンルームマンションに投資しします。

そのことを繰り返して、戸数を1から10,15・・というふうに拡大させていくわけですが、銀行の借り入れ金額が膨れ上がるとともに、賃料収入も増えていきます。

ところでこの手法ですが、大きな壁が生じています。

その壁とは、銀行の不動産担保融資姿勢が厳しくなったことです。

というのもスルガ銀行の不祥事のあと、金融庁による不動産担保融資へのチェックが厳しくなり、銀行も審査を厳しくするようになったようです。

例えば、この不動産投資で採算性があるのか、頭金があるか、といったことが調べられるようです。

それで不動産投資拡大のために、取引銀行から不動産担保融資を申し込んでも、今回は断られるというケースもあるようです。(不動産担保融資に非常に積極的だった地方銀行においてもです)

いずれにしても個人の不動産投資のスケールの拡大が容易に行えなくなった時代になってきたようです。

ウィキペディアには

サブリース会社は一度サブリース契約をしたオーナーが利益の出ているうちにリピート営業を重点的に行っており、結果としてオーナーは限界まで借金をして複数のサブリース物件を持つ例が存在する。将来、家賃を減額されると多大な影響がでる事となる。

サブリース – Wikipedia

とも指摘されています。

サブリースというビジネスモデルが揺らぎ始めている?裁判沙汰も