アパートローンの繰り上げ返済 負担軽減になるものの銀行にしてみれば・・


繰り上げ返済。

銀行へのローン残高を減らすために行うことですが、アパートローンでも行うことができます。

例えばローン残高が6000万円あるとすると、1000万円を繰り上げ返済するとローン残高は5000万円になります。

すると毎月の銀行への返済額を軽減させることができ、余裕のあるアパート経営を行うことができるようになるというメリットがあります。

例えば返済期間が残り20年でローン金利が1.5%とします。

ローン残高が6000万円とすると毎月の返済額は289527円で20年間の利息支払い分は9486407円です。

一方で1000万円を繰り上げ返済してローン残高が5000万円になると、毎月の返済額は241272円、そして20年間の利息支払い分は7905341円になります。

このように繰り上げ返済によって、毎月の返済額は約4万8000円軽減され、20年間の利息支払い分は、なんと約150万円軽減させることができるのです。

ですから繰り上げ返済を効果的に行うことができるならば、アパート経営においては大きなメリットになる場合があります。

しかしすべ良しというわけではありません。

りそな銀行画像

りそな銀行。都市銀行の1つ。アパートローンの借り換え先として人気がある。

繰り上げ返済のデメリットともいえる事柄があります。

それは銀行との関係に多少の影響が生じるというです。

というのも銀行にとっての優良顧客はローン残高が多くてしかも返済はきちんと行なえている顧客、しかも預金も多く行ってくれている顧客です。

しかし繰り上げ返済を行うと、ローン残高は減少しますし、預金残高も減少するかもしれません。

このことは銀行にとっては、あまり面白いことではありません。

それならば金利交渉を行って、金利を下げてもらうほうがメリットがあるのかもしれません。

もちろん公的な金融機関からの借り入れならば、さほど金融機関との付き合いに神経を使う必要はないのかもしれませんが。

もちろん繰り上げ返済を行いつつも、新たにアパートを購入する時は、再度借り入れ残高を増やすといったことを繰り返すという手法を手堅く行うこともできるかもしれません。

いずれにしても繰り上げ返済を行うならば、キャッシュフローを改善させるうえでは効果があることでしょう。

キャッシュ・フロー計算書|投資の時間|日本証券業協会 (jsda.or.jp)

追記:繰り上げ返済を行って、銀行への返済から解放されたいという気持ちになるのは当然です。

銀行への返済が完済すれば、家賃収入はすべて本当に収入になるからです。

しかし無理な繰り上げ返済を行うことには、デメリットがあります。

そのデメリットとは手元の資金が大きく減りきつくなるというものです。

手元の資金が少なくなると、急な出費などで対応できなくなる可能性があります。

さらに銀行側としても、借入金額も大きいが、多額の預金もあるという顧客を重要視します。

しかし繰り上げ返済を行うと、借入金額は減るとともに、預金残高も減少することになります。

このような場合は銀行としても面白いことではありません。

もちろん銀行も顧客の繰り上げ返済をしたいとの要望には応じると思いますが、多少の手数料を徴収してそうすることでしょう。

もちろん近年では、不動産投資を拡大させる個人の事業者さんもおり、そのような場合は所有アパートの棟数が増えていくと同時に、銀行からの借入金額も増大していきます。

それと同時に家賃収入も大きく増大しますが、余裕資金が増えてきた時に繰り上げ返済を行うという方もおられるようです。

馬力返済とも言うようですが、この場合は銀行として有力な取引先として評価してくれるでしょう。