所有土地の価値は広さではなく質が重要?広すぎても価値が下がる?


小規模賃貸住宅事業者の筆者が都市近郊エリアに所有している賃貸住宅のためのちょこっとした土地ですが、固定資産税評価額は数千万円にもなります。

その一方で筆者の親族が地方で持つ土地ですが、農地などで活用されている広大な広さの土地があります。

おそらくは、これだけの広さの土地を都市近郊の私が所有しているエリアで所有すれば、固定資産税評価額は何十億円になるかもしれません。

まさに土地長者になれます。

しかし現実は地方で所有する土地なので、固定資産税評価額は100万円にもならないような状態です。

郊外

このことからわかるのは、土地の価値というものは

広さよりも質にある

ということがわかります。

ところでこのことと多少関連のある事柄で

面大減価

という不動産用語があります。

あまり聞きなれない言葉かもしれません。

不動産鑑定ではしばしば用いられる言葉のようです。

そしてその意味するところは、不動産の市況の善し悪しや立地条件に大きく左右されるのですが、一般的に面積の大きな土地は、その地域の標準的な規模の土地に比べて土地の単価は低くなる傾向が見られるという意味です。

なぜ広大な土地の単価は低くなるのでしょうか。

その根拠としては

・土地購入者が一般の消費者ではない。(一般の消費者は農業をするなどの特別な事情がない限り広大な土地を購入することはない)購入者は建売業者や開発業者に限られる。つまりは需要が限定されるというてんがあります。

・さらに広大な土地を宅地活用したとしても、道路や公園の設置が求められることがある。

といった理由があります。

なので面大減価が生じます。

しかし必ずしも、あらゆるエリアで面大減価が生じるというわけではありません。

例えば都心部などの人気の高いエリアなどで、広大な土地を確保するというのは並大抵のことではありません。

もしそのような土地があるとするならば希少価値の高いものとなり、大手のホテル業者やマンション業者が獲得のために競合することになり、結果的には土地価格が高くなるということもあります。

ですから基本的には面大減価は生じえる事柄ですが、しかしそれはあくまでもホテル業者やマンション業者、そして商業施設のデベロッパーなどが関心を向けることがないようなエリアのことです。

広大な土地の確保が困難な都心部では面大減価とは逆の事柄が生じることもあります。

つまりは土地の価値というものは、あくまでも需要がどれだけあるかによって決まるもので、どれだけ広いかで決まるものではないということです。

No.4610 広大地の評価|国税庁 (nta.go.jp)

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