以前、大東建託の家賃査定担当の社員が話しておられたのですが、インフレになると、家賃も値上がりになると言っておられました。
この時には、本当にインフレになれば家賃も値上がりするとのかと半信半疑でしたが、考えてみるとインフレとは物価全体が値上がりして、お金の価値が下がる状態ですから、家賃も物価の一部と考えると大東建託の家賃査定担当の社員の言われるとおりなのかもしれません。
ところで需要と供給の視点からするならば、インフレになっても家賃が上がるということは、あまり期待できないでしょう。
今は空室率20%の時代ですが、近い将来は30%にもなるともいわれています。
ということは物価は全体としては上がったとしても
家賃は賃貸住宅供給過多のための上がらない
上がるどころが、インフレ時でも下がるかもしれません。
もちろんアパートの立地エリアによるとは思いますが、余程の人気エリアのアパートならばインフレ時、デフレ時でも家賃が上がることもあるでしょう。
ところで専門的な見方によるならば、平均的にですがインフレ時に家賃が上がるというのは事実なんだそうですが、しかし上がるとしてもゆっくりとしたテンポで、しかも家賃は最後の段階になるんだそうです。
ですからアパート経営はインフレに強いといわれているわけですが、株もインフレに強いといわれているのと同じで、インフレ時には全体的には株価は上昇するかもしれませんが、銘柄によっては下がる株もあることでしょう。
同じようにアパートもインフレ時には全体的には家賃が幾らか上昇するかもしれませんが、物件によっては家賃が下がる物件もあることと思います。
ですからどのような物件でもインフレに強いというわけではありません。
一方でインフレになると建築コストも高騰しますから、新しい物件が建ちにくくなるという側面もあります。
さらに金利も上昇しますので、アパートローンも借りにくくなります。
ということは新しい競合物件が少なくなり、
既存の物件の需要が高まるというメリット
があるのかもしれません。
追記:インフレになると、政府日銀は、ただちに大規模な金融緩和を終了させて、金利は上昇するかもしれません。
ですからアパートローンを借りているならば、インフレになる前に、固定金利にしておくこともできます。
さらに物価は全体的に上昇するわけですが、円は売られやすくなり、円安になります。
もちろん通貨の価値は下がりますが、ドルやユーロなどの外貨が対円に対して上昇するかもしれませんので、外貨資産を所有することによってリスクをヘッジさせることができます。
あるいは世界中の経済が混乱して、世界中でインフレが生じているならば、金などの商品の価値が上昇するかもしれません。
さらに通貨安になる反面、土地価格は上昇するかもしれませんので、そのような意味でアパートを所有していることは有利になるともいえるでしょう。
いずれにしても資産の分散は、リスクを軽減させるのに有効な手段となります。
インフレとはお金の価値が下がるということなので、お金以外の資産を持つことはインフレに対処する有効な手段となります。