全くの平地の場合、土地をかさ上げしたりする必要はありません。
かさ上げすることもなく建築物を建てることができます。
関西の場合、大阪平野では多くの場合、ほとんど土地の凸凹のないエリアも少なくなく、そのまま建築物を建てることができます。
しかし関東平野になると、山が近くになくても土地が凸凹になっているエリアが数多くあります。
山の手線エリアでもそのようなエリアがあります。
そのような土地が凸凹しているエリアにおいて建築物を建てる場合には擁壁を構築する必要が生じます。
擁壁について百科事典マイペディアには
盛土(もりど)や切土(きりど)個所が土圧で崩壊するのを防ぐための壁状の構造物。無筋コンクリート,石材,煉瓦等で作られる重力式,鉄筋コンクリートで作られる半重力式,逆T式などがある。
このように土圧による崩壊が生じないように、囲い込むための構造物で、山の麓のエリアなどの凸凹の多いエリアではよく見かけるものです。
そしてそのようなエリアでは擁壁を構築しなければ建物を建てることはできません。
そして原則2m以上の擁壁の場合は建築確認申請が必要となります。
このてんについてウィキペディアの建築確認申請の項目では
建築確認申請(けんちくかくにんしんせい)は、建築基準法 第6条、第6条の2、第6条の3に基づく申請行為である。 法に定められた建築物を、あるいは地域で、建築しようとする場合、建築主は申請書により建築確認を受けて、確認済証の交付を受けなければ建築することができない。
ですから建築主が建設会社の助けなどを受けながら申請しなければならないということがわかります。
ところで気になる擁壁工事の費用ですが、どれぐらいかかるものなのでしょうか。
このてんはその土地によりますが、一平方メートル3~13万円ぐらいと言われています。
それで例えば一平方メートルあたり5万円ぐらいした場合を考えてみましょう。
この場合に300平方メートルの土地にアパートを建てる場合は、擁壁工事のために300×5=1500万円程度の費用がかかることになります。
いずれにしても凸凹のある土地にアパートを建てる場合には擁壁のための費用が余分にかかるということになります。
追記:最近は台風や大雨による被害も頻発しするようになってきました。
実のところ、この擁壁はこうした自然災害にも弱いところがあります。
つまりは暴風雨やゲリラ豪雨などの大雨によって崩れるリスクがあります。
そして万が一、崩れてしまい他人の物件にも損害を与えてしまった場合は厄介なことになってしまいます。
この場合は、擁壁の崩壊リスクを予知できる範囲で、しっかりとした予防策をとっていたにもかかわらず、想定外の災害のために崩壊し、他人の物件に損害を与えた場合は、賠償責任を負うことは原則ありません。
その一方で、瑕疵によって他人の物件に生じた損害は賠償する責任を負うことになります。
また擁壁による住居の場合は、隣との境界線があいまいにならないようにしていなければなりません。
境界線に関するトラブルも生じやすいからです。
いずれにしても、擁壁に関するトラブルは多いようですし、費用もかかりますので、極力そのようなエリアでのアパート経営は避けたほうが無難でしょう。