2018年ごろから地方銀行のアパートローン審査が厳しくなり、これまでならば、すんなりと融資を受けることができた案件などで、融資を受けることができなくなったケースが多くなっているようです。
そのことで最も影響を受けるのは賃貸住宅の建設会社です。
おそらくはほとんどの建設会社が、賃貸住宅の建設事業の不振に陥っているようです。
そしてとりわけ打撃を受けると思われるのが賃貸住宅最大手の大東建託です。
大東建託グループの売上げの3割が建設事業を占めていると言われていますので、主力の建設事業が不振になるとグループ全体にも悪影響が及びます。
そのようなさなか、大東建託は建設事業以外の分野にも注力して多角化を進めているといわれています。
具体的には介護事業、保育、保険、海外事業と当分は需要が見込める分野に力を入れていますが、そのようななか日本経済新聞2019年4月4日の「大東建託系 グループホーム事業に参入」という記事には
大東建託子会社で介護・保育サービスを手がけるケアパートナー(東京・港)はグループホーム事業にこのほど参入した。第1弾として横浜市で1日に認知症対応型のグループホームを開設した。2024年度までに5施設のグループホームを新設する計画。施設の施工から運営までグループ内で手がけることを目指す。介護需要の増加を見据え、安定した収益源に育てる。
大東建託系 グループホーム事業に参入: 日本経済新聞 (nikkei.com)
と報じました。
ところでこのケアパートナーという会社ですが、大東建託の100%の出資会社で、完全な子会社です。
社員数は約2000名、そのうち介護福祉士500名以上、看護師150名以上をかかえています。
介護施設数も沖縄以外の全国各地に展開しています。
そしてこれまでの介護事業はデイサービスが主力だったのが、今後はグループホーム事業にも参入して事業を拡大するというのです。
おそらくは、ますます高齢者は増大していくと思われるなか、グループホームの需要は増大していくことでしょう。
施設を建てることについては、大東建託のお得意分野ですが、グループホームについてはケアパートナーな舵を握ってグループ全体の安定収益源にすることに狙いがあるようです。
追記:このてんで
という記事には
介護の会社でソラストという会社があります。
全国に数百ほどの事業拠点をもつ介護業界では名の知れた会社なのですが、その会社の筆頭株主が大東建託なんだそうです。
しかも大東建託はソラストの34%以上の株式を取得しているということなので、大東建託はソラストの株主総会での特別決議を要する議題(2/3以上の賛成が必要)に対する拒否権ができます。
ですから増減資や役員任免、合併など重要な議題はその大東建託が賛成しないと通りません。つまりは大東建託は事実上ソラストの経営に大きな影響を及ぼすことができるのです。
と書かれています。
このように完全な子会社でないにしても介護のソラストの経営に大東建託がかかわっているようです。
介護事業には、介護の場、つまりは建物が必要になりますが、建物の建設工事と管理やメンテナスは大東建託が行い、介護については、介護事業者が行うという構図のようです。
大東建託 積水ハウス 大和ハウス工業 賃貸住宅ではどこがいい?