新居に移り住んで、もうじき2年、新しい環境にも慣れ、現住居にも愛着を感じているころに、不動産管理会社から1通の手紙が届きます。
賃貸契約更新のお知らせですが、もうじき2年になるんだと考えながら開封してみると、驚いたことに家賃が2000円値上げになっているではないですか。
このような経験をされた方は少なくないと思います。
つまり更新時には家賃は現状と変わらないか、値上げかのいずれかがほとんどです。(値下げしてもらう場合は、値下げが妥当という確かな根拠を示して貸主と交渉することによって行うことができます)
実際、なるべく高い家賃にしたい大家と家賃を低めに抑えたい入居者との思惑を合致させるのは容易ではありません。
大家でもある筆者も、なるべく家賃は高くしたいという心理が働く反面、入居者の事を思うと割高な家賃では気の毒、そのうち家賃に不満を持って退去してしまうのではないかと考えてしまうことがあります。
しかし割安な家賃の入居者に対しては値上げを要求しなければアパート事業そのものが苦しくなっていきます。
そして、やりにくい値上げをスムーズに行うのが経営手腕とも言われています。
多くの場合は不動産管理会社がそのことを行いますが、値上げしてもスムーズに事が進んでいるのならば、安心して任せられる会社といえるかもしれません。
ところで家賃を値上げするにしても、がめつい精神のみで、6万円の家賃を7万円にしてほしいと一方的に要求することができるというわけではありません。
値上げするならば、それなりの根拠がなければならず、借地借家法でもしかるべき根拠があれば家賃の値上げを求めることができるとなっています。
例えば、土地や建物の価格が上昇した場合には、それを根拠に値上げを求めることができます。
しかし周辺相場を考慮に入れることも重要です。
周辺相場の家賃が上昇しているのならば、それを根拠に値上げすることができるでしょう。
ただし土地価格が上昇しても、競合物件が急増することにより周辺相場が上がらない、ないしは下がることさえあるかもしれません。
その場合は家賃の値上げは、賢明ではないかもしれません。
いずれにしても土地と建物の価格と周辺相場を根拠に家賃の値上げを検討することができます。