アパートオーナーになったきっかけが、ただ単に相続税対策とか、収益のもう1つの柱が欲しいといった理由であるならば、アパートオーナーとしての高尚な理念や目的といったものを持つことがなかったかもしれません。
建設会社や銀行の提案で、アパートオーナー業について知った場合でも、その提案は、きっとうまくいきますよ、相続税対策をうまく行えますよ、といったものだったことでしょう。
これらの営業の目的は、とにかくアパートを建ててもらうこと、そのためにお金を借りてもらうこと、そのことによって利益を獲得することに主眼が置かれています。
ですから目先の利益が得られることを強調して、とにかく提案に乗ってもらえるように巧みにトークしてきます。
しかしアパートを建てるならば賃貸住宅経営をする事業者になるわけですから、いつまでも建設会社や銀行が頼りになるわけではなく経営者としての責任を持たなければなりません。
ですからアパートオーナーとしての理念や目的を持つのは肝要です。
では理念や目的を持つことの効果とは?
それは経営の効率化やスピードといった面でプラスとなります。
というのも理念や目的に向かって、経営資源を集中させれば良いからです。
つまりは無駄を省く効果があります。
ではどのような理念や目的を持つことができるのでしょうか。
まずはアパート経営を行うエリアについて考えてみることができます。
このエリアの特徴はなんだろうか。
どんな人が住みたいと思うエリアだろうか。
また住んでくれる人に、どのように満足してもらえるだろうか。
などです。
例えば都心まで20分で行ける駅近徒歩10分以内のエリアにアパートを建てるとします。
この場合、どんな人が住んでくれるかというと、都心まで通うサラリーマンになります。
またサラリーマンということで、普段は留守がちになるので、防犯機能のあるアパートにしたいと思うかもしれません。
さらには宅配ボックスを設置したりすることもできるでしょう。
この場合の理念や目的は
「都心に通うサラリーマンが快適に過ごすことができる住居を提供する」
といったものにすることができるかもしれません。
それで将来、リノベーションをするにしても、この理念や目的に沿って行うことができるでしょう。
結果的に効率的に経営を行い、アパートオーナーとしての成功に近づくことができるのです。
ウィキペディアには経営理念について
経営者の経営哲学や信念、行動指針や目的などを明文化し、その企業が果たすべき使命や、基本姿勢などを社内外に向けて表明するものである[2][3][4]。特徴として、経営者が変わったとしても、長期にわたって受け継がれる不変的・持続的なものである[2][5]ほか、抽象的・規範的である[3]事などが挙げられる。事業遂行における基本的価値観と目的意識であり、「この組織または働く人々は何を目的として集まっているのか」という根本的な事業目的を端的に表した文章である。
と書かれています。
もちろん収益のためにというのが本音かもしれませんが、適切な理念にしたがって運営するならば、収益もついてくるかもしれません。