最近は空室リスクを嫌ってか、ある大手賃貸建設会社は、地方において新築のアパート建築を控えているといわれています。
あくまでも入居者需要の多い都心に経営の軸足を置いているようです。
確かに地方において深刻なほどに空室の多いアパートマンションがあるのは事実です。
また地方においては都心や市街地ほどに家賃を高くすることはできないでしょう。
しかし地方においては
都心や市街地にないアパート経営を行ううえでの利点
があります。
その1つはとにかく土地が安く、土地と物件の購入が都心部に比べて格段に安いというてんがあります。
都心部になると土地の価格が非常に高くなるので、家賃は高くすることはできても土地購入費用を取り戻すのに、相当の期間がかかります。
当然、都心部の物件の利回りは、購入費用が高額のために、あまり高くはありません。
一方で地方の物件となると、土地価格が安い分、都心部の物件と比べて、購入費用が安くなるために物件の利回りは高くなっていきます。
つまりは高利回り物件を求めるならば地方のほうが多いということになります。
さらに地方に目を向けることのメリットは競合物件が少ないというてんもあります。
例えば筆者の妻の実家がある地域も、ほとんど賃貸住宅がありません。
ですから数少ない賃貸物件は、ほぼ満室状態です。
もちろん地方においてもアパートマンションが乱立しているようなエリアでは、まともに空室リスクにさらされているケースもあるようです。
ところで地方のアパート経営を行う別のメリットは競合物件があっても、アパート経営の意識の薄いオーナーさんが多いというてんもあります。
多く場合、地主さんが行っていて、相続税対策などでアパートを建築し、あとは管理会社任せといった感じです。
ですから、のんびりとした地方の管理会社だと空室が多くなっても、危機感をもなく、いわゆる競争力があまりない物件ということなので、やりやすいというてんもあるでしょう。
もちろん、前提はあくまでも全体的に空室リスクの少ないエリアでの事柄で、深刻なほど空室率が高いエリアにおいては地方においても苦戦することは目に見えて明らかで、そのようなエリアにおいて物件を購入しアパート経営を行うことは控えたほうが賢明でしょう。