建て替えによる明け渡しは正当事由?


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築年数がかなり経過している物件の場合は入居者には建て替えリスクがある。

知り合いが、とても築古なアパートに住んでいました。

家賃はとても安いのですが、多くの入居者が、住むためではなく荷物置き場として使用しているようなアパートです。

そしてある日、突然に建物を壊すために明け渡しを要求する張り紙が不動産管理会社から貼られていたとのこと。

理由は建物が著しく老朽化しているために、もはや入居し続けるのは危険なので壊すとのことです。

そして速やかに退去してほしいとの内容です。

知り合いも、しぶしぶ次の住居を探すことになりましたが、引っ越し費用は貸主側が負担してくれるとのこと。

ただひとり身の独身男性なので、次の入居先が決まるまでにかなり難航しましたが、なんとか決めることができましたが、引っ越し費用の負担はなかったものの、結局は退去そして入居にさいして、様々な費用が発生することになりました。

このように貸主都合による明け渡しで、引っ越しするにしても入居者は引っ越しにために時間や手間がかかるものですし、幾らかの費用は貸主側が支払ってくれても、それでも余分の費用が発生することはあります。

特にひとり身の高齢者の場合は大変な事柄です。

では今回の場合のように建物解体のための明け渡し要求は正当事由にあたるのでしょうか。

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建て替えによる明け渡しが正当事由になるかどうかは、様々な事情によって左右される。

例えば解体後の建て替えは明け渡しの正当事由になるのでしょうか。

もちろんこの場合でも築20年程度で、まだまだ使用できる建物でありながらアパートオーナー都合で建て替えたいのでという場合は、おそらく正当事由とはみなされないことでしょう。

一方で耐用年数も超えて、建築基準法にもそわなくなっている、消防法上にも問題があるという場合は正当事由になるのでしょうか。

このあたりの判断は難しいわけですが、これだけでは正当事由にあたる十分の根拠にはならないようです。

これらの理由に加えて、治安や防火、安全対策上、建て替えが合理的とみなされた場合に十分な正当事由になります。

ですから単なる老朽化と消防法の問題点だけでは、正当事由とみなされない場合があることも覚えておく必要があります。

もちろん多くの場合、老朽化を根拠に明け渡しを求めると入居者も、退去してくれるものですが、しかしそれだけでは正当事由にならない場合もあり、万が一裁判で争った場合にアパートオーナー側が不利になることもあり得るようです。