
積水ハウス設計施工の賃貸マンション。
不動産経費として計上できるもののなかで、けっこう大きなウエイトを占めるものに減価償却費があります。
1億円以上の建設費でRC造りのマンションを建てたとするならば、毎年の減価償却費も15年間は300万円程度を減価償却費として計上することができるのではないかと思います。
ところでこの減価償却費、RC造りと木造とで計算方法はどのように違ってくるのでしょうか。
RC造りの耐用年数は47年
このてんで最も耐用年数の長い造りはRC造り(鉄筋コンクリート造り)で47年となっています。
具体的には取得価額の90%を耐用年数で割ったものが1年間の減価償却費用となります。(最も単純な計算方法をとった場合ですが)
その他の場合は
鉄骨の場合、鉄骨の肉厚が4mmを超えるものは34年。
鉄骨の場合、鉄骨の肉厚が3mm超から4mmまでは27年。
鉄骨の場合、鉄骨の肉厚が3mm以下は19年。
木造は22年。
モルタルは20年。
となっています。
鉄骨造りの場合は鉄骨の肉厚が1mm違うだけで耐用年数が随分と違ってくるというのは興味深いてんです。
またこの耐用年数はあくまでも法的な耐用年数で減価償却費を計算する時に活用するもので、実際には建物は法的耐用年数よりも、もっと長く使用できるものと思われます。(ある不動産の専門家はRC造りは100年もつかもしれないと言っておられる方もいます)

減価償却制度をうまく活用しなければ損をすることもある?
ところで減価償却費、毎年経費として計上できるというてんでは、ありがたい制度ですが、できるならば早く使い切ってしまいたいものです。
というのも例えばRC造りマンションの場合は耐用年数が47年ということで、47年間基本的には同額で経費として計上することができるのですが、もしもそのマンションを35年で建て替えのために解体したとするならばどうなるのでしょうか。
この場合47年までに12年間を残すことになりますが、12年分の減価償却費を経費として使うことなく終わってしまうのです。
ということは減価償却費というのは、見方によっては修繕費よりも不利なものともいえるかもしれません。
それで可能であるならば47年間は建て替えずにアパート経営を行うことができれば損をすることもないのかもしれませんが。