
借地借家法の施行によって入居者は守られている。
日本は法治国家で、法がものをいう国ですが、この法制度、とても複雑で、なかなか素人にはわかりにくいてんがあります。
例えば、憲法、民法、商法、刑法、民事訴訟法および刑事訴訟法がありますが、これらすべてを把握するためには、大学の法学部で勉強するとかしなければ把握しきれません。
しかしアパートオーナーであるならば、アパート事業そのものに、多くの法律がからんできますので、ある程度、精通している必要があります。
とりわけ民法は、アパートオーナーと入居者にかかわる法律です。
この民法そのものはアパートオーナーと入居者は対等という見方です。
しかしどうしてもアパートオーナーは強者、入居者は弱者という傾向が見られるようになり、そのために民法を修正した借家法が施行されるようになりました。
この借家法、常識のないアパートオーナーから入居者を守るために生み出されたものですが、強力な法でアパートオーナー泣かせの法律でもありました。
しかるべき理由で入居者に退去を求めても、入居者側は借家法を盾に、なかなか応じないということがしばしば生じてきました。
そこで幾らか、アパートオーナーの立場に理解を示すために借家法が改正され平成4年8月1日より現在の借地借家法が施行されるようになります。

定期借家契約の場合は、契約終了後明け渡しを求めることができる。
借地法から借地借家法の改正時に、修正された1つのてんは定期借家契約が認められるようになったというてんです。
この定期借家契約とは契約の更新がない契約で、契約期間が終了した時点で確定的に契約が終了し、確実に明け渡しを求めることができるものです。
そして契約期間は自由に定めることができます。
幾らか不信なてんがある入居者ならば、契約期間終了時に退去してもらうことができますし、優良な入居者であるならば再契約することもできます。
最近では分譲マンションの区分所有者が他の人に部屋を賃貸するさいに定期借家契約で貸す場合もあるようです。
しかし現状はやはり多くみられる契約形態は定期借家ではなく入居者側に有利な普通契約です。
アパートオーナーも定期借家制度について知らずに不動産管理会社に任せきりの場合もあることでしょう。
しかしアパート賃貸についての法に精通しているならば、アパート経営にプラスとなるならば定期借家での賃貸も試みてみることができるかもしれません。