
地方銀行のアパート融資姿勢が硬化している。
2018年のスルガ銀行をめぐるスキャンダルが明るみになってから、アパートの着工件数が減少していると言われています。
そのことは賃貸住宅の最大手の大東建託や積水ハウス、そして大和ハウス工業でもみられています。
それではなぜ賃貸住宅着工件数が減少しているのでしょうか。
様々な要因があげられていますが、最大要因の1つは地方銀行のアパート融資の姿勢が厳格化していることにあるようです。
地方銀行にしてみれば、不動産融資は、おいしいビジネスだったようですが、スルガ銀行のスキャンダルが明らかになってからは、金融庁による不動産融資への監視が強化され、安易に行えなくなったということのようです。
具体的には
自己資金が厳しくチェックされるということがあるようです。
スルガ銀行の不正融資のさいには、預金通帳の改ざんなどが行われ、自己資金がほとんどなくても、改ざんによって融資の審査が通過できているといったことが行われていましたが、原則的に銀行は、一定の基準を超えた自己資金がなければ融資してくれません。
そのチェックが厳しくなり、場合によったら自己資金が基準を満たさないために、融資の保留といった事例が生じているようです。

アパートローンに積極的に取り組んできた地方銀行。
ところで銀行が不動産融資を厳格化させている他の事例としては
融資の減額を求めてくることがあるようです。
例えば1億円の融資を求めても、8000万円にしてほしいといった感じなのでしょうか。
この場合も、十分な資金を確保できないために、その対策のために時間がかかりアパート着工時期が遅れてしまうということもあるでしょう。
そして審査期間が長期化しなかなかアパートの着工ができないというケースが多くなっているようです。
結果としてアパートの計画を進めてきたものの、銀行からの融資が十分に得られないために、アパート計画のキャンセルという事例も生じています。
こういった理由で、アパート着工件数が減少しているようです。
対策としては、銀行の融資基準を満たすようにするか、銀行以外の金融機関から借り入れるかの方法があるかもしれません。
さらには金利は高いものの外資系の金融機関は、融資基準が緩い場合もあります。
外資系の金融機関を検討することもできます。
あるいは公的な色彩の強い住宅金融支援機構から融資を受けることも検討できるでしょう。
追記:この銀行の不動産担保融資の審査の厳格化は、初めて不動産担保融資を受ける場合は、もちろんのこと困難になっていますが、すでにその銀行から不動産担保融資を受け、返済実績を積み、銀行との信用関係を築いている場合でも、銀行がすぐに応じてくれない場合もあるようです。
例えば、すでに何戸ものワンルームマンション投資を行って、そのためにある地方銀行から繰り返し不動産担保融資を受け、しかも、そもワンルームマンション投資で成功をしているような場合でも、最近では、その同じ銀行にさらに不動産担保融資を求めたところ断られらたということがあるようです。
それだけ金融庁の不動産担保融資への監視やチェックが厳しくなっており、やはり銀行は監督庁からは、よく見られようとの意識が働くのでしょうか。
もちろん、このような事柄は、ワンルームマンション投資だけでなく、アパートを数棟所有しているようなオーナーさんでも、同じような事が生じており、以前は数年に1度のペースでアパートを増やしていたオーナーさんが、最近は銀行の慎重姿勢のために行っていないケースもあるそうで、明らかに潮目は変わってしまったようです。
それでもアパートは供給過剰とも言われ出しているので、それはそれで良いのかもしれませんが。